Googleを作った人物の挑戦:世界を桃源郷に(ラリー・ペイジのインタビュー書き起こし)

この記事は,本ブログの記事から英語原文を除き読みやすくしたものです。
英語も同時に見たい方は以下の記事を御覧ください。

Googleを作った人物の挑戦:世界を桃源郷に---ラリー・ペイジのインタビュー記事翻訳 - ぐうたら日記


ここに紹介するのは『FT interview with Google co-founder and CEO Larry Page』という記事です。かのGoogleを作ったラリペさんのインタビュー記事です。

2014年10月の終わりに出た記事で,「20年後、あなたが望もうが、望むまいが現在の仕事のほとんどが機械によって代行される。」と訳されて紹介されていた記事です。

悲観的に受け取られた方もいるのではないかと思うのですが,原文を読むと,ラリペさんはなんて素敵で優しい人なんだろうと私は思いました。

そこで,今回原文全部をほぼ直訳しました。拙い訳ですので,間違いなどありましたら,ご指摘いただけると嬉しいです。

 

 

 目次

 

  1. 記事の引用元
  2. Googleを作ったラリー・ペイジについて
  3. 記事要約
  4. 記事本文

 

 

 

1. 記事の引用元

 

この記事は,以下の『FT interview with Google co-founder and CEO Larry Page』を直訳したものです。
 
 

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2. Googleを作ったラリー・ペイジについて

 

Google検索は,ページランクというアルゴリズムで成り立っているわけですが,これを作ったのがラリー・ペイジことラリペさんです。ペイジとページをかけてるんですね。おしゃれです。

スマホAndroidをいまの形にしたのもラリペさんです。

 今回の記事中にスティーブ・ジョブズ氏とのエピソードがありますが,ラリペさんが,まだ投資家の信用も得てない若造な26歳のとき,投資家の勧めで,スティーブ・ジョブズ氏,Amazonジェフ・ベゾス氏や,インテルのアンディー・グローヴ氏とCEOの仕事について話してみたことがありました。

そしてすべてのミーティングを終え,ラリペさんが言った言葉は「スティーブ・ジョブズなら雇ってもいい」だったそうです。

 

 

 

 

3. 記事要約

  • Googleが行っていることは,長期的な忍耐強い投資を提供することである。
  • Googleの大志は,検索宣伝ビジネスから得たお金を世界をよりよくするために投資することだ。
  • 人々の仕事がテクノロジーに取って変わられても,混乱は価格の下落によりすぐ収まる。
  • どんな人が自分の職を失って後悔するのか?一度仕事がテクノロジーによって時代遅れになると,仕事に焦がれて時間を無駄にするのは意味がない。
  • ラリー・ペイジは,大志を抱く理想主義者であるが,自分の抱える課題にきちんと向き合っている。

 

 

 

4. 記事本文

目次

(a) ラリー・ペイジが見ている未来。
(b)グーグルの目標は,社会的なゴール。
(c) 620億ドルを手に大志を抱きつつ,大きな責任を感じて慎重なペイジ。
(b) グーグルの目標は,社会的なゴール。
(e) ブレークスルーは,大志を抱き,それに従事することで起こせる。
(f)  過少投資が問題だ。誰かが投資しなければならない。
(g)  エンジニア出身のペイジは,社内会議で技術的課題を深く議論するより好きなことはない。
(h)  正しい集中と応用により,改善・効率化は必ず実現できる。
(i)  世界を極楽にする方策として,数百万の仕事が時代遅れとなり,デフレスパイラルが起きる。
(j)  住宅価格が崩壊するのも推測済み。
(k)  テクノロジーへの不安をひっくり反す必要がある。
(l)  スティーブ・ジョブズとの議論。
(m)  グーグルは重要なこと全てを奪いたいわけじゃない。
(n) エックスを超えて,グーグルの翼下で大きな新しいビジネスの立ち上げ。
(o)  グーグルが理想とする姿は,企業では前例がないが,人物では唯一ウォーレン・バフェット


【Richard Watersによるラリーページのインタビュー記事】


(a) ラリー・ペイジが見ている未来。

もし,ロボットが働いてくれるおかげで,90%の人が仕事をせずにくつろげるようになったら,世界は,より幸福な場所になれないのだろうか?
支払いのたった5%しかマイホームにかからないようにすればいいのではないか?
いつの日か,あなたと,それから子どもたちが,核融合で得られる安い無限の電力と大幅に引き延ばされた寿命を享受してはいけない理由があるのか?
ラリー・ペイジは,そういったことで頭がいっぱいである。

41歳,グーグルの共同創立者かつ重役は,非常に広い視野で考える。
最近行われた再組織化は,グーグルの現在のビジネスにかかるペイジの責任を補佐に移し,ペイジが好きなだけもっと野心的な衝動に熱中するだけの余裕を残した。
メッセージ:世界で最もパワフルなインターネット会社は,検索エンジンの独占から得られるお金と引き換えに次世代技術の金の卵のシェアを手に入れる用意ができている。
 
(b)グーグルの目標は,社会的なゴール。

いまから100年先に広がっている可能性に目を向けて,ペイジは言う:
「我々はおそらく,人類として負っている多くの課題を解決するでしょう。」
株式市場上場に伴った理想主義のスタートから10年になり,グーグルの「悪になるな」「世界をよりよい場所に」といった,あらゆるグーグルの言葉がいくぶんか古くさく聞こえるようになった。
  
グーグルの力と富は,恨みを抱かせ,反感をかってきた。いかにインターネット検索においてその独占力を振るうかを調査中のヨーロッパでは特にそうだ。
しかしながら,ペイジは,共同創立者のセルゲイ·ブリンと一緒に,一見もっと素朴に見える時代を築くという特大の大志と利他主義から少しもひるまない。
「社会的なゴールが,私たちの第一のゴールなのです。」ペイジは言う。
「私たちは,いつもグーグルを通してそう言おうとしてきました。私たちは自分たちが望むようには成功していないと自分では思っています。」

グーグルの有名な将来にわたる社是:
「世界の情報を体系化し,情報を一般にアクセス可能で役立つものにする。」でさえ,ペイジが今抱いているものに見合う程大きくない。

目的:バイオテクノロジーからロボット工学まで,未来の景気づく産業において,立場を確保するためにグーグルの検索宣伝ビジネスから噴き出すお金を使うこと。
これが新たな社是をグーグルが必要としていることを意味するか否かを尋ねられると,ペイジは言う。「おそらく,私たちは新しい社是を必要としていると私は思っています。」
グーグルがどうなるべきかについて:「私たちは,さらにうまくいかせようとしています。」

(c) 620億ドルを手に大志を抱きつつ,大きな責任を感じて慎重なペイジ。

最近,広範囲のインタビューのために,シリコンバレーにあるグーグル本社で我々に会ったとき,
ほとんどの社長が持つ最も信頼のおける自信とは実に正反対な,特徴的で,ためらいがちな自分のスタイルをペイジは見せた。

ますます脚光を浴びて,5万5千人の社員が働く会社を経営する上で増えゆく責任を感じるのは疑いようがなく,また,ペイジはかつてよりずっと注意深く言葉を選ぶようになった。

しかしながら,大志とペイジのアイディアの雄大さに明白な変化はない。
それは,たとえ2人の若い子供たちの父親として,教育のように長期的な課題をより意識するようになってもだ,とペイジは言う。
 
 歴史上,技術変化の奔流が,徹底的な社会またはビジネスの崩壊をもたらす程脅迫的であるとき,
ペイジは自分が,世界で最もパワフルなテクノロジーカンパニーの一つの舵取りだと気付く。
  
グーグルのゴールは,他より大きい。
いまなお新しいベンチャーにお金を注ぎ込んでもキャッシュは蓄積され続けている。
今や620億ドルを越える。
「私たちは今,ちょっとばかり未知の領域にいます,」ペイジは言う。
「私たちは,見出そうとしています。どのようにこれら全ての資産を使うか…そしてどのように世界にもっとずっと良い影響をもたらすかを。」
グーグルの投資家たちが,グーグルの長期的な将来への大規模な賭けの大きさに最近慎重になっているが,これはほんの始まりに過ぎない。

ペイジからすれば,それは全て大志にいきつく。世界が単純に十分に大きな供給を持っていない便利なものという大志だ。
 
(d) あなたも10人でインターネット会社を立ち上げて,何十億人ものユーザーを抱えられる。
 
定期的に訪れるブームの1つの真っただ中にあって,シリコンバレーは,いまだテクノロジービジネスの中心地ではあるが,目先のことしか見なくなっているとペイジは言う。
根本的には「壊れた」わけではないと主張しながらも,シリコンバレーは過熱しているとペイジは言う。それがどれ程重要かは,また別の論点として。
間違いなく多くの資本と興奮させるものが存在して,これらは周期的に起きる。」とペイジは言う。
「しかし今から100年間,あなたはおそらくそのことを気にかけないでしょう。」 
テクノロジー産業へ注ぎ込まれるお金の多くは,最新のインターネットブームの消費者から楽に得られる儲けに引き寄せられている。
 「あなたも10人でインターネット会社を立ち上げて,何十億人ものユーザーを抱えられるのです。」
 そんなに資本はかからないし,多くのお金を稼ぐことができる。本当に,本当に多額の。だから誰もがこの種のことに集中するのは当然なんです。

(e) ブレークスルーは,大志を抱き,それに従事することで起こせる

地球上のほとんどの人の生活に物質的に違いをもたらす潜在能力を持つテクノロジーの真のブレークスルーを,たった50人の投資家が追いかけるとペイジは見積もっている。

これらの大きなアイディアを何か抑えるものがあるとすればそれは,資金不足でもなければ,克服できない技術的なハードルの壁でさえもない。
 ペイジが思い描いてる類のブレークスルーが達成されようとするとき,
「それが推進されるのは,いかなる基本的な技術進歩によってでもありません。単に人々がそれに従事し大志を抱いたから,ブレークスルーは推進されるのです。」とペイジは言う。

(f)  過少投資が問題だ。誰かが投資しなければならない。
  
課題:「私たちはおそらく世界の中で,1つの世界として過少投資されている。」
十分な範囲でこれらの課題を考えている機関の数は十分ではない。特に政府は。
  
政府よりはむしろ民間企業が自分の地位を利用してまで,世界のもっとも長期に渡る,大望のある科学プロジェクトを支援すべきなのにしていないかどうかという質問に対して,ペイジは気の利いた答えを言う:「うーん,誰かがそれをしなければいけません。」 
これは,ペイジのエンジニア心が現れたところだ。

(g)  エンジニア出身のペイジは,社内会議で技術的課題を深く議論するより好きなことはない。
コンピュータサイエンスの教授である父を持つペイジは,
彼を知る人々によると,社内会議で技術的課題を深く議論するより好きなことはない。
  
ペイジは説明する。例えば,グーグルのデータセンターがどのように運営されているかということを,どのように掘り下げていくかというと,どれだけ電力にお金を払っているかという課題は,電力供給網のデザインについての質問になる。

(h)  正しい集中と応用により,改善・効率化は必ず実現できる。

正しい集中と応用を伴えば,より改善し,より効率よく運営できないものなんて存在しないとペイジはほのめかす。
最近の核融合に従事する新規事業の訪問は,低コストエネルギーのブレークスルーの可能性からペイジを興奮させた。
また他の新規事業は,映像を見せられている被験者の心を「読む」ことができる技術によってペイジを驚かせた。

「5000万ドルを持つ本当に賢いグループは,このような問題に多くの進展を生めます。しかし,そのようなことは十分に起こってはいないのです。」とペイジは言う。

グーグル所有の大きな賭け金の一部は,「シマ」とペイジが表現する地域にある。その場所は,技術的な解決に開けているように見えるけれども,なんらかの理由で注目を集めていないところである。
例として,ペイジは自動運転車と高齢者を悩ませる病気を挙げた。
後者は,スタンフォード大学の研究室でペイジの奥さんが取り組んでいる分野だ。
「それは地位の高いものではなかった」ペイジは言う。
  
Calicoと呼ばれる新しいバイオテクノロジーの機関を通して,Googleは今,何億ドルもの自己資金を,この高齢者を悩ませる病気に取り組むエリアに設備投資しようとしている。
「私たちには資金があるので,やるぞと一度言えば,この人たちならできると人々に信じてもらえます。その事実にはとても恩恵を受けています。」ペイジは言う。
 「グーグルはそのように手助けします:そのような資金調達メカニズムは多くは存在しません。」

(i) 世界を極楽にする方策として,数百万の仕事が時代遅れとなり,デフレスパイラルが起きる。
 
しかし,初期と比べて技術的な変化の高まりが不安をかき立て始めた。その初期には,性急な技術的イニシアティブが出現するたびに,親が子のフィンガーペインティングを褒め称えるような受け入れをする熱狂的な層によって歓迎されていたものだった。
「人々は混乱を見ますが,本当に良い面に目を向けません,」ペイジは言う。
「人々はそれを人生を変えるようなものとして見ません…問題は人々がそれに参加したがらないことだと私は思います。」
テクノロジーのこととなると,いつも楽観主義者であれば,全ては変わるとペイジは言います。
例えば,急速な人工知能の発展により,コンピュータとロボットがほとんどの仕事に順応するだろう。
仕事をやめる機会を与えられたら,10人中9人は「今日自分がやっていることを,やりたいとは思わないでしょう。」
どんな人が自分の職を失って後悔するのか?一度仕事がテクノロジーによって時代遅れになると,仕事に焦がれて時間を無駄にするのは意味がない。
「全ての人は奴隷のように働くべきで,だから人は何かを非効率に行い,だから仕事を続けるという考えは,全く私にとって意味を成しません。それは正解になりえません。」
 
テクノロジーがたくさんの日用品や毎日のサービスの価格にもたらすであろう影響の中に,ペイジは異なる恩恵を見ています。
巨大なデフレが来る:「たとえもし,人々の仕事に混乱が生じても,それは私たちが必要とするものの価格の低下によって短期間に引き起こされ,私が思うに本当に重要なのに,話し合われていないのです。」
新しいテクノロジーは,10%ではなく,10倍以上効率を上げる,とペイジは言う。
  
ものの値段が下がっていくのを考えてください:「あなたが快適な生活を過ごすために欲しいものは,ずっと,ずっと,ずっと安く手に入れられると私は考えています。」

(j)  住宅価格が崩壊するのも推測済み。

崩壊する住宅価格は,この方程式のもう一つの部分です。テクノロジーもさることながら,ペイジはこの方程式を,とある方針の変化にも当てはめるのである。その方針というのは,建設のためにより簡単に利用できる土地を作るために必要とされる方針である。

1000万ドルどころか,パロ・アルト,シリコンバレーの中心にある平均的な家に,5万ドルも払わなければならないいかなる理由も見いだせない,とペイジは言う。
多くの人にとって,このような個人の経済の大変動の考えは,現実性のないものに見えるだろう。
非常に動揺させるとまでは言わないが。
 数百万の仕事が時代遅れとなり,個人の家の価値は崩壊し,日用品の価格はデフレスパイラルとなるという見通しは,極楽への方策のようにはとても聞こえない。

(k)  テクノロジーへの不安をひっくり反す必要がある。
  
しかしながら,資本主義体制において,テクノロジーを介して非効率を消すことは,論理的な結論まで追求できるとペイジは示唆する。
「これらのことが起きなければ良いと願うことはできません。これらのことは起きるのです。」ペイジは言う。
「経済において,かなりの量のとても素晴らしい能力を持つでしょう。私たちが,もっともっと色々なことができるコンピュータを持つ頃には,仕事に対する私たちの考え方は変わっていっているでしょう。」
 その他に方法はないのです。退けることはできません。
 
. . .
  
方針を議論することになれば,多くのテクノロジーのように,技術的な疑問を抱かせるある種の困難を受け入れる余地がないという課題の取り扱いにくさに,ペイジはすぐに失望を表す。
 「これらのことにとてつもなく大きな不安があるし,ひっくり返さなきゃいけないと私は思います。」とペイジは言う。それをどのようにすべきか具体的なアイディアはないけれども。
 「社会として,違うように何かするのは非常に難しく,そして,私はそれを良いとは思っていません。」
 「人々が考えていそうにない最も基本的な問いのいくつかは,私たちがどのように人々を組織し,人々をどうやって動機付けるかという問いである。」ペイジは言う。
 「それは本当に興味深い問題で,私たちはどうやって民主主義を組織するのでしょう?アメリカでの満足感を調べてみると,良くなってはいなくて,悪くなっています。これはとても心配なことです。」
  
起業家精神とテクノロジーへのヨーロッパの貧弱な支援だとペイジが考えているものの資料の中に,ペイジは追加した:「ヨーロッパにおける問題の多くはこれと似たようなものだと思う。」

(l)  スティーブ・ジョブズとの議論
  
また別の障壁が身近に横たわっている。テクノロジー産業の究極的目標に到達するには,たぶんグーグルは既に1つの会社で行うのが可能なことの限界にきてしまっている。
ペイジは,3年前に亡くなったアップルの社長であるスティーブ・ジョブズと頻繁に行っていたという議論について話した:
 「スティーブは,いつも私に,『君はあまりにもたくさんのことを詰め込んでやりすぎだよ』って言ってきたものさ。私は言い返していたんだ『君の方こそ,十分に詰め込んでやらなすぎだよ。』ってね。」
 ペイジがジョブズにしていた議論:「これら全ての人を持っているだけ,数十億ドルを持っているだけじゃ不満なのです,人々の生活をより良くするために投資すぺきなんです。私たちが単に同じことをして,私たちが前と同じようにやって,何も新しいことをしないならば,それは私には罪のように思えるのです。」
  
しかし,理想主義によって,ペイジは,自身の持つ大志の問題から目を背けているわけではない。
「スティーブが言っていたことは正しかった--『ラリー,君はとても多くのことを扱うことしかできないんだ。』」
 
(m)  グーグルは重要なこと全てを奪いたいわけじゃない
 
もしペイジ--そしてグーグルが勝利を収めるならば,彼らは大きな会社を過去に押し戻すという逆境に打ち勝たなければならないだろう。特に1つのテクノロジーの世代からの数少ないリーダーが次にそれを大きくするテクノロジー産業においては。
 
「大企業というのは全て(時価総額が)同じ大きさの桁内にあります。」と自分の会社が既に限界を越えているという明白な感覚を持っているペイジは言う。
  
「あなた方は,グーグルはこれらの重要なこと全てを奪うつもりだと言うかもしれませんが,しかしそれを行っている会社の例は存在しないのです。」
  
どうやって見えない天井を突き破るかについてのペイジの考えは,最近進化してきたようだ。
 
(n) エックスを超えて,グーグルの翼下で大きな新しいビジネスの立ち上げ。

グーグルエックスは,ブリンの発案の内部研究所であり,グーグルグラスや自動運転車といったプロジェクトを伴う大きな新しいアイディアに戻ろうという初の試みを示している。
  
ブリンがグーグルのメインビジネスから退いたにも関わらず,ペイジは彼らを身近な敵と表現する。
  
「私たちは,たくさんの時間を共にしてきました…こんな経験を共有する人というのはほんのわずかです。」とペイジは言う。最も大きな賭けに到達しようと途切れなくブリンがかき立てることについて,ペイジは付け足す:「重要で,もっとエキストリームな側にブリンは常にいるんです。」
  
いまや,エックスを超えて,ペイジは準独立のリーダーたちと一緒に独立した事業分野を設定し,グーグルの翼下で大きな新しいビジネスの立ち上げを委ねることをペイジは試している。
 
Calicoに加えて,グーグルは最近,インターネットアクセスとエネルギーにおける投資からなる新しい分野だけでなく,「スマートホーム」担当のNestをこれらに含めることを明らかにした。

(o)  グーグルが理想とする姿は,企業では前例がないが,人物では唯一ウォーレン・バフェット
 
グーグルはまた,シリコンバレーベンチャーへの最も大きな投資家として過去2年間で急速に存在感を出してきている。グーグルの理想像のモデルとなる企業は存在しない。とペイジは言う。
 
しかしもしこの先に待ち構える課題に必要とペイジが考える資質の多くを表現できる1人の人が存在するとするならば,それはかの有名な投資家であるウォーレン・バフェットである。 
かつて思考力によって問題に答えようとする脳移植を語った理想主義者的な若い技術者たちとは全く異なってペイジは言う:「1つ私たちが行っていることは,長期的な忍耐強い投資を提供することなんです。」 
ペイジは,まだ長い目で見られる年齢です。
しかしながら,わずかな限界を示す大志を携えて,忍耐は別問題である。